天国にいちばん近い島 (角川文庫)

天国にいちばん近い島 (角川文庫)

電車の到着時間が約束の時間からだいぶ早くについてしまうので暇つぶしも兼ねて持っていった本。ちなみにはまぞうのは平成になってからの版の様ですが、所有しているのはカバーに二十代前半くらいの女の子*1の写真のついてる昭和五十九年四月二十日発行の四十九版目の文庫本。初版は四十四年だそうです。
小学六年生あたりに母の本棚で見つけて読んだ、私にとって人生で始めてのエッセイ本。海外の創作ファンタジーばかり読んでいた私が現実の人間に興味を持つきっかけになったくらい影響力のあるものです。あんまり気に入ったので読んだ後、母の本棚に戻さずに自室の本棚に並べて幾度か読んできました。確か前に読んだのは高校生の頃だったのですが、あの頃はただ若い女の人が南の島のニューカレドニアへ船で単身滞在するという一種の冒険譚として捉えていた話が、今日読んでみると冒険譚よりも彼女の父母の人生とか、出かける前のほうがやけに印象的でした。お勧めの本です。文章が易しいのでとても読みやすいのです。

*1:著者の森村桂さんだと今まで思っていたのですが、映画化されたときの桂さん役の原田知世さんという女優さんのようです。