そうえいば、朝、夢を見たので記します。
私は丘の上の平屋に住んでいる。弟か妹か、或いは知らない子だったか、とにかく年下の誰かと住んでいる。
家の裏手には込み入った町が広がっている。引越してきたばかりであたりのことをまだよく知らないので散歩がてら調べることにした。
歩き始めてすぐは平屋が多く、路地も狭かったけれど、しばらく行くと立てられたばかりのような団地になった。平屋建ての終わりと団地の間には空き地があって、そこには広い大きな新築の屋敷があった。今日がまさに完成の日のようで、餅投げの場にたくさんの人が群がっている。その横を歩いていくと、投げているのはお持ちではなくお金だった。500円のような硬貨を投げていて、たくさんの人が押し合いながら拾っている。ロープで規制線らしきものが張られていて、警備の人も居た。その光景を見つつ歩いていると、硬貨が飛んできて足元に転がった。見るとそれは500円玉の大きさの、のっぺりしたただの金属の板で、これをみんな欲しがっているのかと理解できないまま拾い上げた。するとロープの向こう側にいた男の子と目が合って、欲しそうだったので、投げて上げた。
そこからなんだか頭が働かなくて夢の中でもぼんやりとしながら歩いていくと、道は二車線で碁盤状の規則正しい並びになって周りの建物もどんどんぴかぴかのビルになって行った。でも人が居ない感じで、寂しく思ってあちこち曲がって帰ろうとした。すると行き止まりに突き当たった。そこは団地の一番深くの場所ようで、見上げると洗濯物が干してあったりした。人もそこそも行きかっているので、やっと人に会えた安心感があった。けれど、自転車置き場から出てきた少年に見覚えがあったので、どこでみたんだろうと考えていたら、後ろから来たお腹の突き出た中年男性にすれ違いざま「ここに来るんじゃない。ここは間違っている」と言われて、腕を引っ張られた。
気がつくと団地の行き止まりではなく、寂しい感じが嫌だった、ビル街の道路の真ん中に立っていて、自分のいる場所より後ろは手抜きの背景みたいに真っ白で、世界がそこで終わっているので悲しくなった。