ニタイとキナナ

ニタイとキナナ

昨日、仕事帰りに寄った本屋さんで見つけました。タイトルと表紙の絵に惹かれました。
縄文時代の東北地方(神=カムイと読んでいるのでアイヌの人かな)を舞台にした四季の暮らしの物語です。
歴史の教科書だと遺跡の名称くらいの紹介で、さぞ貧しくぎりぎりの生活をしてたのかなと思っていたのですが、こんなにも豊かだったんだ、と俄然興味が湧きました。今私がこうして生きているのも、その時代(当然人類発生のときからでもあるのですが)に私のご先祖様が生きていたからということを考えると、なんだかすごいと思うのです。(去年奈良へ遊びに行ったときも同じことを思いました。現在まで残っている建物もすごいけれど、私がここにいるということは、私のご先祖様が生きていて、その子孫が生き延びてきたからずーっと血を繋いで私になったのだ、という途方もなさというか。)
物語は「ヨコハマ買い出し紀行」や「水鏡綺譚」から哀しさを取った感じの雰囲気で、こういう作品を自力で発見できたことがすごく嬉しいです。
大判で3センチの厚みで漫画のほかに薀蓄講座、解説とあとがきもあって、読み応えがとてもあります。(本棚のどこにしまおう…)

冬の長の祭り(冬の間楽しく遊びくらすことで、生まれたばかりで弱っている太陽に元気を与えるお祭り)の名残がクリスマスやお正月、という解説を読んで、今まではキリスト教徒でもないのにクリスマスに大騒ぎする風潮が嫌いだったのですが、そういう古代から信仰が下敷きになっているのか、と思うとそういう風潮(というか祭り好きな国民性?)に納得です。
このお話以外にも縄文時代をテーマにしたお話が出版(でも絶版みたい…)されているそうなので、ゆっくり探していこうと思います。