からくりからくさ (新潮文庫)

からくりからくさ (新潮文庫)

昨日から読んでいました。淡々とした文体が読んでいて心地いいです。梨木さんの本はほぼ「苺を〜」のエッセイから入ったので、この本を読んでいてもなんとなくエッセイっぽさを感じてしまいます、。(それが嫌というわけでなくて、すっと文章が入ってくる感じが好きなのです)口をきく市松人形という箇所を読んで須藤真澄さんの漫画の「振袖いちま」を思い出したので、結局最後まで私の中の登場人物のイメージは須藤さんの絵でした。(ちょっとほのぼの過ぎかなと思いつつ、イメージが離れなかったです)
物語が進んで人の繋がりが見えてくるのはこの話の核になっている織物にイメージが重なりました。あと結婚と出産のあたりの旧家のおばあさんの考えがものすごく頭に来たので、登場人物が反論してくれて安心しました。
最初は少し、人物の口調が丁寧すぎてちょっと私の中ではリアリティが欠ける気がしたのですが、後々くだけてきたので人物同士の遠慮もあったせいかと思いました。
能面の解釈と織物や草木染の話が新鮮でそういう点でも面白かったです。

そういえば、人物の名前を「紀久」を途中までノリヒサノリヒサと読んでいました。女の子なのに。