とりぱん 1 (ワイドKCモーニング)

とりぱん 1 (ワイドKCモーニング)

ちょっと前にアンテナ先で紹介されているのを見て、気になっていた本。昨日本屋さんでみつけたので悩んだ末に買いました。
結果、大当たり。
大雪師走さんの「ハムスターの研究レポート」や五十嵐大介さんの「リトル・フォレスト」に通じるものがあると思います。
四コマが面白くて、四コマ以外の話(短編)もとてもいい。感想を巡っていたら誰かが、作者さんは詩人だといっていたけれど、本当にそうと思う。蝉の鳴き声で空がいっぱいにいなる話が一番好き。ハンパなエコへの冷静な目線が嫌味でないのも楽しく読める点です。(そう思うのは作者さんの考えと私の考えが同じだからかもしれないけれど)
これでまた楽しみな本が増えました。嬉しい。

PLUTO (3) (ビッグコミック)

PLUTO (3) (ビッグコミック)

今までは絵が古いとか言って見向きもしなかったのですが、大学の授業で手塚治の作品に触れて、初めてそのすごさを実感しました。(小学生のとき、父が図書館で借りてきた「シュマリ」と「火の鳥」を読んだけれど、重い話だと思っても、手塚作品と認識していなかった。)原作のほうを一巻が出たときに読んだはずなのに、まったく筋を覚えていないのはどうしてだろう。結末が分からなくてわくわくします。
アドルフ・ハースがゲジヒトを殺そうとするのは八つ当たりだと思う。相手がロボットという自分より強い存在だから倒してもいい、というか、犯罪者の兄が殺されたという恨みが全てというよりも、生活無いの不満をそうごまかして、八つ当たりできる「強い」存在にそれをぶつけているだけの気がする。
「ボラー」としか言えない少年は改造されちゃったんだろうか。人間が滅んだ後は草木が繁栄するだろうけれど、そこは楽園じゃなくて種の保存と発展をかけた戦場になると思うけれど。そう思うと争いの無い世界ってどこにも無いなあと思う。(花畑やらグレートバリアリーフを楽園と思うのは花とか魚の生存競争から外れた人の主観だと思う。)
なにやらいろいろ思い出したり、考えたり、考えが脱線したりしたけれど、平たく言うと感想は、面白かった!の一言です。
解説のN氏よりも、大学のオサム先生の話が聞きたいなあと思いました。四年で講義が取れなかったのが悔やまれる。