ローズ・イン・タイドランド [DVD]

ローズ・イン・タイドランド [DVD]

昨日見た「エコール」が壁の中を内へ内へと潜っていく話だとしたら、今日見た「ローズ・イン・タイドランド」は何もかも突き抜けていった話。
パッケージを見たらファンシーで可愛い感じがしたので、きっと空想のお友達の力を借りて、ママのいない寂しさをパパと乗り越える話しだなと思っていたのですが、無垢なものが無垢のまま狂っている話でした。サイコ映画とでもいうのでしょうか。中々カロリーが高かったです。
大草原の一軒家と剥製になった父親と少女、建物自体にはとても惹かれる感じがするのに、何となく不快感があるのは、水の気配が一切しないからだろうか。蜂を嫌う剥製師の女デルと知的障害を持つその弟ディギンズの姿が見ていて息苦しかったです。
ローズとディキンズの関係で、ディキンズがいつ「少年」から「男」になってしまうのかとはらはらしました。
映像は前編と押して素敵だと思ったのですが、乾いた風景なのに、居心地の悪いものが根底にあるようでした。昨日の「エコール」の水の感じとは違って、こちらは澱んで腐っているような、そんな気がします。なので、爆発のシーンは何かが開放されるような印象ですっとしました。
ふしぎの国のアリス的要素はあんまり無かった気がします。(序盤の小さい扉をくぐって衣裳部屋へ入るところはそんな気がしました。)
好きとはいえない作品で、でも嫌いともいえない、そんな不思議な作品です。ローズ役の女の子主演の女の子ジョデル・フェルランドちゃんがとっても可愛かったです。
本編を見た後に予告編を見たら、パッケージと同じ可愛いほのぼの系だったので、なんだか違うと思いました。