光の海 (フラワーコミックス)

光の海 (フラワーコミックス)

表紙の絵に惹かれて読みました。またすごい作家さんを発見出来て嬉しいです。人魚が存在する世界の日常を書いたオムニバス作品です。以前表紙買いして当たりだった梵納タオさんの「華物語」という漫画に似ているような感じがします。表題作の「光の海」は最初コメディかと思っていましたが、ぜんぜん違った…。ほとんどの作品に嫉妬の感情が描かれているのだけれど、どろどろした感じが無いのが不思議です。どの話も好きだけれど「さよならスパンコール」が一等好き。若い日の報われなさや過ちを後悔するストーリーは後味が悪いのでものすごく苦手なのだけれど、この話はなんだか平気だった。多分、人魚が最後に笑うところとか、そもそも人魚という別世界の生き物相手の話だからかもしれない。(「乙女ウイルス」を勧められて読んだけれど、地球防衛隊は好きだけれど、そういう後悔系の話が真に迫り過ぎてて苦しかったので、多分集めたりはしないと思う。)この単行本以外にもたくさんの短編を書いているそうで、早く単行本化されないかなととても楽しみです。