読書づいているので図書館でいろいろ借りてきては読む日々です。
ここ最近で読んだものを一気に紹介してみます。

ムーミン谷の十一月 (講談社文庫)

ムーミン谷の十一月 (講談社文庫)

これは去年に買ったもの。ムーミンにそれぞれの人(正確にはヒトではないけれど)がそれぞれの理由で会いに行こうとするのだけれど、谷に着いてみると肝心のムーミン一家は旅行で不在、というはじまり。ムーミン谷のものは小学生の頃に出会って、シリーズを全部読んで、大学に入ってからもう一度読んで、という付き合いをしている作品です。今はたくさんいるキャラクターの中でもフィリフヨンカが一番気になる存在です。言ってしまえばムーミン一家よりもこの本に出てくる奇妙な隣人たちのほうが気になります。

ムーミン谷の仲間たち (講談社文庫)

ムーミン谷の仲間たち (講談社文庫)

これも去年購入。昨日の寝る前にぜんぶ読んでしまいました。短編集。「せかいのおわりにおびえるフィリフヨンカ」が好きで好きで堪りません。なんとなく捨てられないでいるものが嵐という外界の大きな力で吹き飛ばされてしまった後の爽快感とさみしさが感覚としてととてもわかるからと思っています。あとは「ニョロニョロのひみつ」が昔からなぜか好き。神秘的に見える生き物がただ何の感慨もなく現象に対して反応しているだけというからっぽな怖さの話だと思う(この話を解説者が失敗作と書いているところがこの本の唯一気に入らない点。)

凍れる河

凍れる河

図書室のエッセイコーナーで見つけた本。決して安全ではない凍った河の上を二週間歩いて山奥の村から家を出て学校へ行く兄妹とその旅に付き添う父の話。「人生は、この凍った河を歩くのと同じだ。常に選択を迫られる迷宮のようなものなのだ。前進するには、杖で探り、調和が崩れるぎりぎりの限界を見極める術を学ばねばならない。誰もがそれぞれの道を探り、誰もが自らの谷間から抜けださねばならない」という著者のことばが印象的。「世界の果て」という章があってはっとした。写真の美しさに惹かれて借りたのでなんだか縁を感じた。ものすごい自然の厳しいところにも人が生活しているというところに単純な驚きがあります。写真がとてもきれい。でもいろいろ考えさせられることがあります。

おばあさんになるなんて

おばあさんになるなんて

「くまの子ウーフ」や「ちびっこカムの冒険」の児童書を書いた神沢利子さんのエッセイ。これまでの生い立ちや家族のことなどの話です。これを借りたのは「100万回生きたねこ」を書いた佐野洋子さんのエッセイと勘違いしたからでもありました。でも読んでよかったです。この人の作品「ちびっこカムの冒険」を読んだのは小学校低学年の頃だったと思います。思い返してみると、最近の私の中にある北欧やらロシアやらの北国ブームの原点はそこから始まっていたのかもしれません。
柔らかな印象のある人だと思っていましたが、とても苦労されたようで、最近身近にも実は大変な思いをして生きてきた人の話を聞いていたので、やさしさというものは苦しみを乗り越えて生まれるのだろうか云々なんて考えました。
この本の最後あたりにある鯨の幻の話がとても好きです。

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

せっかくなのでこの本のことも書きます。
「よい絵本」といわれると必ず出てくるこの本なのですが、残念ながら私にはいまだにどこがよいのかわかりません。小さい頃寝入りしなに母が読んでくれた絵本のひとつですが、当時は何回も猫が死ぬところが面白いとひそかに思っていました。それで、授業などで紹介があるたびに猫が最後死んでしまうのは愛を知ったせいだからだろうなと思うのですが、やっぱり良さがわからない。(わからない私は多分何回も死ぬ猫の状態なんだろうと思います)
でも嫌いではないのです。そこは重要。
作者の佐野さんは以前通っている大学で講演されました。そこでエッセイの話が出てたので、気になってさがしていたのです。



さて、こうやって書いてみると、本を集めたくなってしまいます。でも引越しのことを考えて、四月以降にお給料もらった後で集めようと思うのでした。


季刊S(エス) 01月号 [雑誌]

季刊S(エス) 01月号 [雑誌]

エス。いろんな絵が見られるのが好きで買っている雑誌です。でも今回のインタビュー記事で私にとって面白かったのは蟲師だけだったので、ちょっとものたりない気もします。でも投稿された絵とか見るとインスピレーションが沸くので楽しいです。(ただ、こういうものを見ていて困るのはふとした拍子に湧き出る他者の才能への憎悪です。少女の写真を見るときれいと思うより先に憎しみを感じるのもまた事実です。