さて、昨日授業の合間に図書館でネットをしてはてなを彷徨っていたら、私の好きな漫画家の志村志保子さんの単行本が五年ぶりに出ていた事を知ったので、下校してから近所の本屋さんで探したのですが十月の中旬に発売だったにもかかわらず見つかりませんでした。マイナーな作家さんだから置いてないのかとがっくりしながら部屋に帰って改めて検索してみたら、前に出ていたマーガレットコミックスではなくりぼんマスコットコミックスだったので、そもそも見るべき棚が違っただけでした。なので今日例のレポートを終わらせた後、一番近い本屋さんへ行きました。そうしたら案の定平積みになっていたので嬉しくなりました。
あんまり嬉しかったのですぐ読まずにバイトに行くまでとっておいたのですが、バイトに行く前ぱらぱらと後ろのほうを拾い読みしていたら、私的地雷を踏んでしまい、この上なく暗澹とした気持ちになってしまいました。でもそれは物語を最初から読まなかったせいで、後で(恐る恐る)読んでみたら、不思議とすんなり読めました。

女の子の食卓 1 (りぼんマスコットコミックス)

女の子の食卓 1 (りぼんマスコットコミックス)

内容は食べ物を軸にした短編集で、その話仲に出てきた人や場所の一部が次の短編にも登場するという私の好きな構成でした。(あ、これがつながってるのかと思うとなんだか嬉しいのです)
このところ青年漫画(に入るのだろうか)「蟲師」「魔女」「はなしっぱなし」系ばかり読んでいたので、コマ割の細かさにちょっと戸惑いましたが、ストーリーがとても染みるものばかりで、素敵でした。
志村さんの単行本は「ミシンとナイフ」(1996)「ブザー・シグナル・ゴー・ホーム」(2000)がマーガレットコミックスから出ています。どうやら両方とも絶版のようで、アマゾンの中古の値段がすごかった…。(中古本屋さんではたまに見かけるので根気よく探せばもっと安価に見つかると思います)
志村さんの作品に出会ったきっかけは、何かの折に「ミシンとナイフ」を絶賛しているレヴューに行き当たって、表紙の絵に引かれたこともあって気になっていて、そこで当時すでに「古書店を探すべし」と言われていたので早速関大前ブックオフへ行ったところ、「ミシン」と「ブザー」が並んでいました。そこで実際読んでみたら大当たりでいいものを見つけてしまった!と内心興奮しながら買った記憶があります。
落ち着いた感じの絵で、何と言ってもストーリーがいいのです。私の中では(これまた大好きで新作が待たれる)望月花梨さんの作品のお姉さんに当たるかな、となんとなく思っています。望月さんよりはもうちょっとふわっとした印象があります。(と言いつつ現実的な生々しさが望月さんよりあるとも思います。)
今回の単行本では「マカロン」の話と「バジリコ・スパ」の話が特に好きです。

さて最近は読書からめっきり遠ざかっていたのですが、やはり昨日図書館の地下階にこもってちょっとした作業をしているときにふと読みたくなって、トーベ・ヤンソンの「島暮らしの記録」を借りました。この本を読むのは三度目で、去年もこの時期に借りていました。(去年は自分の中でトーベ・ヤンソンブームが到来していました)淡々と書かれる文章が何故か心地よいです。彼女の作品はムーミンが有名ですが大人向きにかかれたものもまた素敵で「誠実な詐欺師」が特にお勧めです。「少女ソフィアの夏」とこの「島暮らしの記録」はいつかきっと買いたい。