佐賀のがばいばあちゃん (徳間文庫)

佐賀のがばいばあちゃん (徳間文庫)

夕飯後に母に借りて読んだ本です。「がばい」とは佐賀県の方言で「すごい」という意味。生活苦の為、母と別れて佐賀の祖母との貧しい生活を余儀なくされた著者島田さんの幼年から少年時代の八年間の回想録と外郭だけを見てみるととても重苦しいものになるのですが、著者のお祖母さん=「がばいばあちゃん」のパワフルで明るい発想の転換力で生きるってことは楽しいことなんだなとしみじみ思いました。噴き出すような面白い話やほろりとする話などがあってとても楽しく読めます。
短いエピソードを集めた話なのでさくさく読めるのも魅力です。がばいばあちゃんのエピソードはどれも素敵なのですが、個人的に一番好きなのは、運動会のときの先生達の腹痛の話です。がばいばあちゃんの語録の中の「人に気付かれないのが本当の優しさ、本当の親切。」というのを噛み締めている途中です。それにしても本文中に出てくる人は大人も子供もみんないい人たちというか人に対する気遣いが自然に出来ていて、ああこうなりたいと憧れます。
最近は漫画にしか面白い読み物が無いなと思っていたのですが、これは非常にお勧めの本です。ちなみに母とは一般書における本の趣味が会わないなと思っていたので、そういう意味でも何だか嬉しかったです。

板谷バカ三代 (角川文庫)

板谷バカ三代 (角川文庫)

あと似た感じの面白いエッセイでお勧めの本です。こちらはものすごい破壊力を持った一家(というか一族)とその友人たちのお話です。上で紹介した「がばいばあちゃん」よりは結構しもねた系だと思うので読む人を選ぶかな、とは思うのですが、とても好きです。でも母には薦められない…。
こちらの本はこの人みたいになりたいと思う人が正直出てこないのですが、その奔放な生き様を読んでいると何だか知らないのですが無性に励まされます。ひたすら笑いたいときにお勧めの一冊です。
でも電車内と寝る前に読んではいけない本です。(不審者と思われたり、睡眠時間が減るのです)